イクサトンカチ時々プラモ

ウォーハンマー等のミニチュアを塗ったりプラモデルを作ったりするブログ

検証 その2

検証の続きです。
バンダイのリアルタイプイラストの問題を検証します。
書いてるうちにエキサイトしてしまい長くなりましたが、
めったにないことなのでお許を。
昨日と同じで5/9の資料の29ページを見ながら検証していきます。
最初に断わっておきますが、すべて私の推測ですので、話半分で読んでください。


バンダイには厳しい私ですが、このデザイナーの才能そのものは高く評価してます。
実際スクラッチするにあたり、クチバシ部分はこっちのデザインで行こうかと悩んだほどです。
問題点1の肩の高さ問題を解決しようと頑張っている点なども一定の評価はできます。
ですが、元のデザインを軽視して、勝手に別の解釈をしてしまう傲慢な手法には怒りを覚えます。



■問題点4「ロールバーに横棒追加しちゃった」問題

 偏見ですがデザイナーという人種はほぼ文系と言っていいでしょうから、
 強度に関する知識がまったく身についてない人が多いです。
 この人もその例にもれず、ロールバーの中間に一本追加してします。
 追加するのであれば、角に追加したほうが有効だし、
 もっと言うと三角形をつくらなければ何の意味もないため、
 この追加はほぼ無意味です。
 しかも悪いことに、コクピットは後ろから乗り込むようにデザインされているため、
 それを邪魔する形になってしまってます。
 そのため、新たな乗り込み方法を考えなければならなくなり、
 結果として、どうやってそこにたどり着くのか分らない、
 クチバシの謎の三段の手すりが追加されています。
 負の連鎖です。


■問題点5「左腕大きすぎるから爪いじっちゃった」問題


 大きすぎる左腕をなんとか小さく見せようという、
 正しい考えに基づいた修正ですので、間違ってはいません。
 が、爪を小さくしたところまでは良かったのに、なんで3本爪を4本に修正するのか?
 馬鹿なのか?アホなのか? 私にはまったく理解できません。
 右爪の滑り止めモールドを横から縦に変えてる意味も不明です。



■問題点6「ライトが機銃になっちゃった」問題


 ここは、色々な問題が複雑に絡み合っているので整理します。

 -疑問1 なぜ機銃なのか?
 -疑問2 なぜ機銃x2ではなく、機銃x1ライトx1なのか?
 -疑問3 なぜライトはセンター配置なのか?

 まず、疑問1から。
 いくら設定画がへろへろでも、あれがライトを意味する記号と読み取れない人はいないでしょう。
 ですので、ここは「意図的に変えた」と考えるべきです。
 あくまで推測ですが、クリアパーツを使いたくなかったと考えるのが一番シンプルです。
 当時はまだ色プラの技術を確立できてなかったはずですので、
 この小さいライトのために金型を別に作りたくなかったという事情は理解できます。
 でも、なぜ機銃にしたのかということに関しては理解できません。
 ライトでいいじゃないですか。
 センターと同じように防弾カバーをつけるというアイデアで十分理解を得られたはずです。


 疑問2、では、なぜ機銃とライトなのか。
 いくら傲慢なデザイナーでも両方とも機銃に変えてしてしまうのはさすがに
 良心回路が痛み出して出来なかったんだと思います。
 じゃあなぜライトx2にしなかったのかは私にも分かりません。


 疑問3、最大の疑問だったライトのセンター配置ですが、
 今回のスクラッチのために絵に穴があくまで設定画を見続けたことで、
 やっと理解しました。
 元の設定画と何度も見比べた者にしか気が付かないと思いますが、
 絵としてのライトの位置は実はどちらも同じ場所にあり変わっていません。
 設定画を「普通の人」が見た場合、配置がちょっと変でも、
 これは「左右対称の位置にある二つのライト」と理解できるはずです。
 ところがこのデザイナーは普通以上の資質を持っているため、
 設定画のもうひとつのおかしな点に気がついてしまったんだと思います。
 それは、「ライトの向き」です。
 (普通の私がなぜそれに気がついたかと言えば、フルスクラッチしたからです(笑))
 私の途中経過を見てもらえばわかりますが、
 ライトのついている面はかなりのオーバーハングがついているので、
 ポルシェ928のライトみたいに飛び出していれば別ですが、
 このようにライトが正面を向くというのはありえないのです。
 そういう表現がない以上、これは二次元の嘘ということになります。
 私はあっさり斜め下を照らせばいいやと妥協しましたが、
 この人は正面を照らすという「ライトの向き」を生かすことを優先した結果、
 ボディから分離せざるを得ず、分離のためのパーツを追加はしたけれど、
 絵としてのライトの位置を動かしたくなかったため、
 センターに配置することになったのだと推理しました。
 でも残念なことに強度の知識がないため、ライトの尻の部分で本体と点付けするという、
 おそろしく間抜けな取り付け方になってしまってますが。



 とりあえず、足の長さが違う問題や、コンソールまがってる問題、
 ロールバーバスタブに入っちゃってる問題など、細かい問題点はまだ色々ありますが、省略します。
 設定画の問題点を(傲慢ではありますが)、改善しようという熱意は伝わります。
 悪人はこの人ではありません。
 この人の熱意を無視して立体化したモックアップ職人が真の悪人です。
 結局これをきっちり立体化してくれていたら、
 私もこんなスクラッチなんて面倒なことをしてなかったわけです。



今からでも遅くはありません。
バンダイはこのリアルタイプイラストを忠実に再現する方向で、
小型ウォーカーマシンを中心とした新シリーズを出すべきです。
もし出たら10個買います。